以前の記事で、人が生きていく上で、絶対に欠かせない水のお話をしました。
水は1週間飲まないだけで死に至るほど重要なものでしたね。
しかし、その水より緊急度の高いものがありました。
それは「空気」です。
この記事では空気を制し、健康を制することについてお伝えいたします。

もし空気のない環境に身を置いたら、もし息を止めたら、あなたは何分生きていけるでしょう。
おそらくものの数分で死に至ってしまうでしょう。
睡眠中、のどが渇いても水分補給できませんが、呼吸(空気の出し入れ)は絶えず繰り返しているのです。
起きていようが寝ていようが関係なく、空気は必要不可欠なのです。
また、空気は振動して音を伝える役割も担っているため、言葉のコミュニケーションにも欠かせません。
もはや当たり前のことですよね。
「空気のような存在」という比喩表現がそれを如実に表しています。
気楽にいられて、邪魔をせずにそこにいて当たり前の存在ということです。
でも、木々が生い茂った森林を散策しているときに、空気がキレイだなと感じたことはありませんか?
標高の高いところに行って、空気が薄くて呼吸がしづらいなと感じたことはありませんか?
もはや当たり前になっている空気でも、いつもと違う空気の環境に身を置くと敏感に気がつくものです。
一般的に1分間に約15回、1日に換算すると約21,600回呼吸していると言われており、1回当たり約500mℓ、1日に換算すると約10,800ℓもの空気を出し入れしているのです。
2ℓペットボトルを並べたら、たった一日で5,400本も立ち並ぶことになるんですよ。
ものすごい量の呼吸をしていますよね。
これだけの呼吸をしていながら、当たり前になりすぎてこだわっている人はほとんどいないと思うんです。
スーパーやコンビニに行っても空気は売っていないですよね。
毎月の出費である水道光熱費の中に空気代なんて入っていないですよね。
空気に関する出費を強いて挙げるなら、住民税くらいでしょうか。
なくなったらものの数分で絶命してしまうほど必要不可欠で、一日に2ℓペットボトル5,400本分も取り込んでいる空気。
意識することは少なくても、ものすごく健康に影響してきそうですよね。
そこで今回は空気の話をしていきたいと思います。

空気を知る

さて、まずは空気とは何かを考えてみましょう。
学校で窒素約78%、酸素約21%、二酸化炭素その他約1%と習ったのを覚えている方もいらっしゃるでしょう。
人間は酸素を吸って、二酸化炭素を出します。
植物は二酸化炭素を吸って、酸素を出します。
ここまではご存知の方も多いと思います。
では、最も比率の高い窒素はどのよう役割を担っているのでしょうか。
実は、たんぱく質や必須アミノ酸には窒素が含まれていて、窒素がないとこれらの栄養素を形づくることができないんです。
また、遺伝情報を伝えるDNA、これを形づくるヌクレオチドにも窒素が含まれています。
たんぱく質や必須アミノ酸をつくり出すため、人間の遺伝情報を伝えるためにも窒素は不可欠なんですね。
もちろん人間だけではありません。
植物の葉っぱの緑色の元となるクロロフィル(葉緑素)も窒素がないとつくれないんです。ただ植物は窒素を直接吸収することはできないので、土の中で微生物が窒素を分解(無機化)して、植物が吸収できるようにしてくれているんです。
人間と植物、さらには微生物に至るまで、もちつもたれつの関係で成り立っているんです。
人間の生命はこのような共存関係をもとに維持されている、ということを覚えておいてください。

なぜ呼吸するのか?

それではなぜ人間は呼吸しないと生きていけないのでしょうか。
それは酸素を取り込むことで、身体の中で生命活動に必要なエネルギーを生み出しているからです。
細胞には、その一つひとつにミトコンドリアという小さな器官があります。
このミトコンドリアの中で、食べ物から取り入れたブドウ糖などを分解し、酸素を取り込むことによりATP(アデノシン三リン酸)を産出、備蓄し、これを生命活動に必要なエネルギーとして供給しているのです。
ミトコンドリアが酸素をエネルギーに変えているんですね。
そして、もう一つ呼吸の大きな役割があります。
それは、身体のpHバランスを保つということです。
前回の水の話でも触れましたが、人間の体内は弱アルカリ性のpH7.4に保たれています。
もし食事で酸性に傾くような食べ物や飲み物を摂取しても、アルカリ性の食べ物と中和したり、代謝によって中和したりするだけではなく、呼吸によってこの絶妙なバランスを保っているんです。
呼吸とは本当に大切なもので、ともすれば呼吸法を変えることで、身体に大きな変化をもたらすことができます。

ミトコンドリア イメージ

社会現象となった「鬼滅の刃」では、呼吸によって力の発揮が変わる様子を描いています。
世界的名医のアンドルー・ワイルが発案した4-7-8呼吸法(息を出し切った後、4秒間息を吸い、7秒間息を止め、8秒間で息を出し切る方法)では、副交感神経を優位にしてぐっすりと眠りにつくことができます。
他にも深呼吸することで緊張状態を緩和したり、相手の呼吸のペースに合わせることでラポール(親密な信頼関係)を築きやすくなったり、様々な変化を起こすことができます。
ちなみに、東洋医学における呼吸は、「天空の気」を吸って、「天の気」をつくり出して全身に運ばれ、その一部が「地の気」(食べ物や飲み物が消化吸収を経てつくり出された気)と合体して「真気(元気)」となって、生命活動のエネルギーとなる、といった捉え方をされています。
とにもかくにも、呼吸は生命活動のエネルギーを生み出すという最も重要な役割を担っているんです。

有酸素運動はほどほどに

ゆったりとした呼吸を保ちながら行う有酸素運動。
もし、あなたが過去にダイエットしたことがあるなら、有酸素運動に取り組んだこともあるのではないでしょうか。
ダイエットの観点から、有酸素運動は最適な方法だとされていますよね。
でも、有酸素運動は万能とも言い切れないということは知っていますか?
有酸素運動をほどほどにするのはなぜかを下記の記事でご説明します。

最高の空気を取り入れるためにできること

ここまで空気や呼吸の話をしてきましたが、その重要性はわかってもらえたのではないでしょうか。
とても重要なものだからこそ、やはりその質にもこだわっていきたいですよね。
より空気の質を上げるためにできることを下記の記事でご説明します。

ひらめきや思いつきをインスピレーションと言いますが、インスピレーションには息を吸うことという意味もあります。
賞味期限をエクスピレーション デートと言いますが、エクスピレーションには息を吐き出すことという意味もあります。
賞味期限が切れた空気を吐き出して、キレイな空気を吸い込んでひらめきを得る。
目に見えないからこそ、空気にこだわっていきましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。